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フォーナイン倶楽部のこと

畏友がフォーナイン倶楽部を立ちあげるとき、最初に私に示したヴィジョンは顧客の選別であった。

それは年齢四十歳以上、面接時納税証明を呈示等々、じつに極端なものであった。さすがに納税証明云々は却下され、年齢も三十歳以上と云うところに落ち着いたのだが、厳しいexaminationが待っていることに変わりはない。

友がフォーナイン倶楽部で為そうとしたのは、もてなす側の女性に容姿、品性、マナーといったじつに厳しい要求と基準を設けるのだから、それでは客に対しても厳格な関門を設けようではないかと云うことである。

だからフォーナイン倶楽部の門は常に閉ざされている。入ることの出来る者を選ぶためである。これはもてなす側の淑女も、そしてそこでひとときの安らぎを得ることのできる顧客も、特別な人門であるということをあらわしている。

フォーナイン倶楽部が客である貴男に要求するのは徹底したダンディズムであり、精神貴族であるという自負である。

誰もがフォーナイン倶楽部の顧客になれるわけではない。貴男は選ばれた人間である。抽んでた存在なのだ。自覚をもって行動していただきたい。

じつは、フォーナイン倶楽部において唯一にして最悪の不良顧客が、何を隠そう、この私、花村である。私は友の友情に甘えて、そっと密やかにフォーナイン倶楽部の門をくぐるのである。

平成十二年十月二十日午後、花村萬月

小説家。東京都生まれ。本名吉川一郎。小学校3年生のときに父親が死亡。作者自身のエッセイなどによると、そのころからすさんだ生活を送り小学校5年生のときに児童相談所に連れていかれそのまま福祉施設に送られる。その施設で中学卒業まで過ごし、高校に入学するが、ほどなくして中退。以後は放蕩三昧(ざんまい)を繰り返し全国を放浪する。

作家デビューのきっかけをつかんだのは30歳をすぎてからだった。真冬の北海道を旅行していたとき、列車の待ち時間などを利用して旅日記をつけていたところ、友人が旅行雑誌にその紀行文を応募、見事に入選して10万円をもらったのである。賞金を手にしたときの感想は「こんなんで金になるのか」というものだったという。「そのあと、これで金が稼げるのならダラダラやってもしょうがないから、とりあえず3年やって、駄目だったら次の仕事をさがそうと思った」(『鳩よ!』1997年11月号)との決意のもと、大量に原稿用紙を買い求めて書き始める。また有名作家の作品の冒頭部分を書き写し、半村良の導入部の書き方や、山田詠美の句読点の打ち方などを参考にした。そうした努力を重ねながら、およそ3か月で1500枚あまりを執筆、書くことへの自信を深める。

書き上げた原稿は、各種文学新人賞へ次々と応募。そのなかの一作『ゴッド・ブレイス物語』が、1989年(平成1)『小説すばる』新人賞を受賞する。ブルース・バンドの若者たちが旅の途中でさまざな冒険や挫折と出会うこの物語は、放浪中の作者の体験を描いたものだという。続く『眠り猫』『重金属青年団』(ともに1990)も、無数に書いていた当時の原稿に加筆訂正した作品だったが、このころからリアルな暴力描写や、濃密な性描写、登場人物たちが「疑似家族」を構成するといったモチーフが色濃く出ていた。これらの特質が緊密に結びつき、融和した傑作が『ブルース』(1992)である。挫折したブルース・ギタリスト、天性の才能を秘めた美少女ボーカリスト、同性愛者のやくざという3人の主要キャラクターを配した同作は「究極のコミュニケーション」とは暴力とセックスにほかならないとして、その両者をすさまじいほどの過激さで描いている。『真夜中の犬』『笑う山崎』(ともに1994)、『皆月(みなづき)』(1997。吉川英治文学新人賞)は、それらの延長線上にある。

ところが、その後は『鬱』(1997)、 『ぢん・ぢん・ぢん』(1998)といった作品に代表されるように、起承転結や登場人物の行動理由を度外視した、物語性の希薄な小説を相次いで発表してゆく。この点について花村は、殺人を犯すのに背景や動機、理由をつけないと許されない小説、あるいは屁理屈でもオチをつけないと納得してもらえない小説はもう書く気がなくなった、とインタビュー等で語っている。小説のなかだけで新しい倫理をつくりたい、それが根本的な部分で、今後目指す道だという。その第一歩として、それまでの作品の中核となってきた性と暴力および人間がもつ陋劣(ろうれつ)さを昇華させるべく一大シリーズにとりかかる。その第一作である『ゲルマニウムの夜――王国記1』(1998)は、神の存在と宗教倫理に真正面から取り組んだ意欲作で、第119回芥川賞を受賞する。 既存の小説観を破壊し、新しい倫理を築き上げようとする花村の試みは、文学の新しい可能性を探る行動として大いに注目される。

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